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小説を変えるアドバイス
私は17年間人の作品を読み、アドバイスをしてきました。
人の作品を良くするのは大変難しく、思ったことを言うだけではダメ、ほめるだけでもダメ、注意するだけでもダメなのです。
感想は誰でも言えます。
しかし、本当のアドバイスをできる人はほとんどいないのが現状です。

なぜなのか、それをまず、お話ししたいと思います。


例えば、プロ小説家や下読みなら、良いアドバイスができるでしょうか?

素人より良いのは確かでしょう。
ただ、彼らは人の小説を上達させる専門家ではありません。

本当の専門家は、プロ作家に付くプロ編集者だけです。
ただ、彼らはアマチュア小説家にアドバイスはくれません。


良いアドバイスとはどんな物でしょうか?

アドバイスに大切なのは、問題点を的確に探り出し、その解決方法を提示することです。
そして、なにりよも、作品を良くしなくてはいけません。

人の作品に意見を言ったことがある方ならお分かりでしょう。
指摘だけなら誰でもできるのですが、小説を良くすることは容易なことではありません。

やるべきことはコンサルタントと同じですね。
指摘は仕事ではありません。良くするのが仕事です。そのための手段を持っていないといけないのです。

そのスキルがあるかどうかが重要かと思います。
人にアドバイスをしたことがない一流作家より、小説を書いたことがないけどたくさんアドバイスをしたことがある人の方が、良いアドバイスができるのは、雑誌編集者が証明しているでしょう。
よく、プロ作家に読んで欲しいという人を見かけますが、あまり意味はないですよね。
経営コンサルタントが社長経験者ではないのと同じです。経営経験がないのに、経営者にアドバイスをして導きます。それが可能なのは、良くするためのノウハウを持っているからです。

ただ、小説のアドバイスをする場合、一般的なコンサルタントとは決定的に違うことがあります。

例を出します。
私は飲食店で長く働いているので、飲食のコンサルについてはよく知っています。
例えば飲食店なら、コンサルタントの言う通りにしていれば、売れなくて困っている現状よりは良くなるはずです。

商品を変えることは難しくないし、ちゃんと訓練すればサービスをよくすることもできますし、金を掛ければ内装や看板を変えることもできるからです。
商品が美味しくなれば売れるでしょうし、店構えや内装の変化だけで売れたりもします。

変化が比較的容易で、ある程度のノウハウは蓄積されているのです。
採算度外視で先行投資をいくらでもできるなら、売れる店を作ることも難しくありません。

しかし、小説は多様だということもあって、こうすれば売れるという答えが導きにくいです。
答えがあっても、それを実践できるかどうかは別問題ですし。
それに、お金をかける部分もありません。

そしてなにより、「商品」を変えることが大変難しいです。
ここをこう直せと指導されて言われた通りに変更することは、創作とは言えませんし、その意見はアドバイスではありません。

色物系や有名人は別にして、小説には「商品」しかありません。
「商品」しかないのに、その「商品」を変えることは容易ではないのです。

それが一番の問題です。
指摘ができるだけではしょうがない理由もここにあります。

「登場人物が作者の操り人形で血の通った人間には思えない、『人間』を書け」
と言ったところで、次の作品からちゃんと人間を書けるようになっているかと言えば、そんな簡単ではありませんよね。
むしろ、言われただけでは無理でしょう。
「誤字脱字が多いから直せ」
と言っても、多い人はやっぱり多いのですから。

飲食店のように、タレを変えるとか、量を変えるというような、食べて分かる、見て分かるような変化を簡単には与えられません。

しかし、アドバイスによって小説を良くします、と言う以上、商品を変えなくてはいけません。商品=小説です。
つまり、小説が変えられるかどうか、そのノウハウこそが小説教室の講師や小説のアドバイスをする人間の力と言えるでしょう。

ただし、
小説は、作者が変わらない限り変わりません。
先ほども言ったように、こう直せと言われてその通りに直しても意味がないのです。
確かにその作品は良くなるかもしれませんが、それは一作品だけのことです。
一作品だけ良くしても仕方ないので、作者が変わるしかないのです。

しかし、作者を変える、そんなことが簡単にできるでしょうか?

もちろん、人を変えるということは簡単にできるわけはありません。

一番手っ取り早いのは、大勢の人間に同じことを言わせることでしょう。
それも面と向かってです。
人間は顔をつきあわせて説得されるのが一番効きます。
そのため、小説教室や小説塾のようなものは大体この手法を使っています。
私もずっとそれをやってきました。

ただ、意見は多様ですし、人間関係ができていないといけないとか、色々問題はあります。
効率も悪いです。五人の作品を五人で合評しようと思ったら、一日ではできませんから。


批評やアドバイスでそれができないか?
それはつまり、アドバイスで人を変えられるか、ということです。

できる、と答えられる人はまずいないでしょう。

本当のアドバイスをできる人はほとんどいないと言った理由はそこにあります。
アドバイスに小説家や下読みが関係ないと言ったのもそういうことです。


じゃあお前はどうなんだ?
ということになりますね。

私だって、作者の人間性まではとても変えられません。
怪しい宗教家ではないですし……。

ただ、私には一つの信念があります。
小説は意識で変わる
という信念です。
これは実際にやって、経験してきた実感です。

私が変える部分は、作者の意識です。
意識は比較的簡単に変えられます。
変えるとまでは言わなくても、今までなかった新しい意識を提示したり、分かっているけど意識しきれていなかったことをちゃんと意識してもらったり、そういうことはできます。

意識を変えることで、「商品」を良い方向に変えられるということです。

「あなたの小説を良くできる」
そう言えるようになるまで、十年くらいはかかりました。
それだけ難しいことで、まだまだ勉強を続けていかなくてはいけないと思っています。

しかし、ほとんどの方があまり意識をせずに小説を書いていることは事実です。
人から褒められない、賞に出しても良い結果が出ない、それにはそうなるだけの理由があります。
十人いれば十人、それぞれに抱えている問題は違います。
それを探り出し、一番意識しなくてはいけないことを意識してもらいます。
それだけで、小説は必ず良くなります。

「必ず」と言ってしまった以上、それを私は保証しなくてはいけません。
保証するという以上、良くならなければ、お金はお貸しします。
良くすると言っているのですから、それは当然のことだと思っています。

お金を返せるというのは、私にとっても助かることなのです。
なぜなら、やはり人と人ですから、肌が合わないということは、お互いにあり得ます。
その場合、お金を返してすみませんと言わなければ、私は詐欺師になってしまいます。

逆にそういうことがあると納得して頂ければ、私は自信を持って、「あなたの小説を良くできます」と言えるのです。



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